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緊急事態宣言とは【非常事態宣言と何が違う?】

2020 4/04

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、緊急事態宣言が出されるのではないかと騒がれています。

今回は

緊急事態宣言とは何なのか?

発令されるとどうなるのか?

非常事態宣言と何が違うのか?

などについて調べていきます。

目次

緊急事態宣言とは?

そもそも緊急事態宣言とは何かというと

2012年4月27日に当時の民主党野田政権のもとで成立した「新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)」に基づくものです。

「新型インフルエンザ等対策特措法」を新型コロナウイルスにも適用できるようにしたものが2020年3月14日に施行された「改正新型インフルエンザ等対策特措法」です。

テレビや新聞でも取り上げられていたので記憶に新しいと思います。

改正時に野党やマスコミが「特措法は個人の権利を奪う」だの「安倍政権の独裁を許す」だの騒いでいたのは民主党時代に成立した法律だということを忘れてしまっていたんでしょうか…という話は置いておきます。

緊急事態宣言については改正前の「新型インフルエンザ等対策特措法」から明記されているものです。

特措法の中には

第1フェーズ 新型コロナウイルス感染症の発生前の段階

第2フェーズ 新型コロナウイルス感染症が発生し、蔓延の恐れが高い段階

第3フェーズ 新型コロナウイルス感染症が蔓延した結果として、医療提供の限界を超えて、国民生活・経済への甚大な影響が懸念される段階

の3つのフェーズがあります。

その第3フェーズの段階で内閣総理大臣が発令できると定められているのが「緊急事態宣言」です。

発令するのは総理大臣ですが、総理大臣が決められるのは期間と区域のみで、実際に指示や要請を発出するのは各都道府県知事となります。

これによって、政府や総理大臣が独裁的な強権を発動することはできなくなっています。

緊急事態宣言が発令されるとどうなる?

その緊急事態宣言が発令されるとどうなるのでしょうか?

発令によって可能になることは大きく6つあります。

  1. 住民への外出自粛要請
  2. 学校や福祉施設などの使用停止要請または指示
  3. 音楽やスポーツなどのイベント開催制限の要請または指示
  4. 臨時医療施設のための土地や建物の強制使用
  5. 医療用品やマスク、食料品の売り渡し要請、収用、保管命令
  6. 運送事業者や鉄道などに緊急物資の運送要請または指示

以上6つのことが可能になります。

ご覧いただければ分かるように、強制や命令が可能なのは

臨時医療施設のための土地や建物の強制使用医療用品やマスク、衣料品の売り渡し要請、収用、保管命令のみです。

外出禁止令も学校の強制休校もライブやスポーツなどのイベントの中止命令もできません。

もちろん道路や鉄道の封鎖などもできないのでロックダウン(都市封鎖)もできないのです。

小池都知事が首都の封鎖について会見で言及していますが、封鎖といっても海外でされているような道路を封鎖して完全に人の出入りを禁止するようなことは日本の法律ではできません。

できることといえば、せいぜい今まで通り知事がお願い」をして自粛してもらうだけです。

このブログの別の記事でも書いているように、ほぼ強制力を持たないわりに責任や批判だけが出てくるような緊急事態宣言を安倍政権は絶対に出したくないでしょう。

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緊急事態宣言の目的

このように、緊急事態宣言によって人の動きを制限する効果は限定的です。

現状と変わらず国民一人一人の意識に頼る自粛要請しかできません。

では、何のために緊急事態宣言を発令するのか?

それは「医療提供体制の維持」です。

政府行動計画によると「緊急事態宣言」は、「緊急事態措置を講じなければ、医療提供の限界を超えてしまい、国民の生命・健康を保護できず、社会混乱を招くおそれが生じる事態」とされています。

現在世界各国では感染拡大による医療崩壊が発生しています。

感染者の増加によって医療現場が混乱、その結果さらなる感染者の増加、治療できずに死者数も増加し、医療崩壊という負のスパイラルです。

緊急事態宣言には「臨時医療施設の土地や建物の強制使用」があるので、発令することで感染爆発・医療崩壊が発生する前に臨時の医療機関を準備しておけます。

また、「医療用品の売り渡し要請、収用・保管命令」を出すことによって、必要な物資を自治体が医療用に確保しておくこともできます。

日本医師会も緊急事態宣言の発令をお願いしているように、「医療提供体制の維持」という観点からは発令することの意味は大きいと思います。

緊急事態宣言=ロックダウン(都市封鎖)ではない

しかし、ロックダウンという言葉が一人歩きしてしまっているせいで

「緊急事態宣言が発令されたら東京が封鎖されてとんでもない額の経済損失がでる」「東京から出られなくなるのでは?」「日用品や食料はどうなる?」などという話になってしまっています。

もちろん緊急事態宣言によって法的根拠ができる分、今までの自粛要請やイベント中止要請よりは多少強い意味を持つことにはなります。

前に別の記事でも「東京がロックダウンされたらどうなる?」という内容の記事も書きました。

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しかし何度も言うように、マスコミやネットで言われているような都市の完全封鎖はこの法律ではできません。

最も大事なのはそこではなく、医療機関の機能をどれだけ維持し続けられるかです。

緊急事態宣言と非常事態宣言の違い

ちなみに、緊急事態宣言と非常事態宣言の違いはなんなのか?

ニュースを見ていても、海外ではよく非常事態宣言と言っていますよね。

結論から書くと、現在の日本の法律では「緊急事態宣言」と呼んでいるというだけのことです。

1954年以前の旧警察法では「非常事態」と言われていましたが改正後の警察法では「緊急事態」に改称されました。

なので、意味としてはどちらも同じものです。

ただ、非常事態宣言の内容や強制力に関しては国によって大きく違います。

日本が基本的に要請しかできないのに対して、フランスでは違反者には罰金がある外出禁止令が発令されています。

アメリカでも外出禁止令や飲食店などの営業禁止といった強制力の強い非常事態宣言を発令しています。

現行の法律では不十分

私個人の意見としては、日本の緊急事態宣言の内容は不十分な欠陥法だと思っています。

もっと強制力を持たせた法律への改正も必要ではないかと。

あまり強制力を持たせると、政権によっては独裁のようなこともできてしまうという懸念があることはわかりますが、今よりさらに徹底した対策を取らなければいけない状況になった時に現行の法律では対応しきれません。

もっと恐ろしいウイルスの発生や他国からの攻撃など様々なシチュエーションを想定して、国民を守ることができるような法律を作ってもらいたいと思います。

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