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コロナショックでも意外と円高にならない理由

2020 4/02

3月上旬、コロナショックによって世界同時株安が発生しました。

2月下旬にはアジアでの感染拡大の影響もあり一時1ドル112円台まで円安が進みましたが、その後ヨーロッパでの感染拡大の懸念から1ドル101円台まで下落。

更に、FRBによる金利引き下げなどで急激な円高が進むのではないかという観測が広がりました。

しかし、その後はドルが買われて逆に円安ドル高が続き、現在も1ドル107円〜108円台での攻防となっています。

このドル高については、「マージンコールによって現金が必要になりドルが買われた」「業績悪化した企業が手元資金を増やすために債券などを現金化したことによるもの」などと言われています。

理由はそれだけなのかな?と思い調べていると東洋経済の記事を見つけたのでご紹介したいと思います。

東洋経済オンライン
「新型コロナで円暴落」が信じられない理由 | コロナ戦争を読み解く
「新型コロナで円暴落」が信じられない理由 | コロナ戦争を読み解く新型コロナによる経済ショックは大きく、さまざまな不安が起きているが、ドル円相場はさほど大きく動いていない。アジアで感染が拡大した2月後半には1ドル112円を超える円...
目次

リーマンショック時との市場の変化

2008年に起きたリーマンショック以来「リスクオンの円高・リスクオフの円安」というのが一般的な認識となりました。

その認識で言えば「株価の暴落」や「日米の金利差縮小」は大幅な円高要因となるはずです。

ところが、その予想に反して円安に進み、市場では「日本売り・円売りが起きているのではないか?」などと不安も広がりました。

しかしこの記事ではそれらの見方は現在の市場のデータや構造をきちんと捉えられていないためだということです。

記事内では2つの指摘がされています。

それが

  • キャリートレードの減少
  • 日本の対外証券投資より対外直接投資が大きくなったこと

ということです。

ひとつずつ見ていきます。

キャリートレードの減少

キャリートレードとは

機関投資家やヘッジファンドが円などの金利の安い通貨で資金調達し、金利の高い通貨で運用して利ざやを稼ぐというものです。

リーマンショック前の2007年の10年債利回りで見ると、アメリカやドイツで4%台だったのに比べて日本は1%台後半と日本が極端に低い状態でした。

そのような状況下では、好景気の時は円キャリートレードが活発に行われて円売りが増えて円安に、景気が悪化すると円を買い戻すので円高になるという動きになります。

実際にリーマンショック後の不況下では円相場は1ドル70円台まで下落し、その後各国の金融緩和での好景気によって2015年には1ドル120円台まで上昇しています。

しかしその後、アメリカやEUも低金利政策が行われました。

EUではマイナス金利を採用するようになり、ユーロも調達通貨として使われるようになったため、以前よりも「リスクオンの円高・リスクオフの円安」の動きは小幅になったということです。

証券投資から直接投資へシフトした

2点目は日本企業が海外への証券投資から海外への工場建設や海外企業のM&Aなどの直接投資にシフトしているという点です。

2019年で見ると証券投資が約9兆5000億円なのに対して直接投資は約22兆8000億円ということです。

今回のようにマーケットが混乱した時に、証券投資であれば割と簡単に売られて円高になりますが、建設した工場や買収した企業を売ろうという動きにはなりづらいので円高は進行しません

ドルも円も強い

これらの理由から、リーマンショック後のような急激な円高ドル安は進行しないのではないかと記事では書かれています。

逆に、2008年以来続いていた「リスクオンの円安・リスクオフの円高」というのも、リーマンショック前からのキャリートレードの増加のせいでそのような現象が起きていただけで、歴史的に見ればその方が例外的だということです。

しかし、今回円高が進まないからといって、ドルが強くて円が弱くなっているわけではないとも書かれています。

2008年のリーマンショック後・今回のコロナショックの名目実効レートの動きを見ると、ドルも円も上がっているということです。

https://toyokeizai.net/articles/-/340443?page=3
https://toyokeizai.net/articles/-/340443?page=3

日本は世界一の対外債権国なので、日本国内の投資家が対外債権の資金を国内に戻すだけでも円高要因となります。

急激な円高も、急激なインフレも起きない

これらの観点から、今後も急激な円高にはならず、1ドル100円から110円あたりのレンジ相場が続くのではないかということです。

また、一部で出ている「円の暴落」や「インフレが起きる」という意見に対しても非現実的だと述べています。

今回のコロナウイルスの影響での経済活動の停止というのは、今まで起きた金融危機とは別種の問題なので、金融・財政政策で景気後退を阻止することはできず、解決策は感染拡大の収束しかありません。

そういう意味では、心配するべきなのはインフレや円安ではなく、長引く自粛や経済活動の停止によるデフレと円高であるということです。

今回はドル円相場についての東洋経済の記事を紹介してきました。

この記事では簡単にかいつまんで紹介しているので、詳しくは東洋経済の実際の記事をご覧ください。

東洋経済オンライン
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