先日の記事で「日経平均」を取り上げました。

今回は日経平均と似ているようで違う「TOPIX」について調べてみました。
TOPIXとは
TOPIXとはTokyo Stock Price Indexの略称で、日本語では東証株価指数と呼ばれています。
日経平均株価と並んでニュースや新聞よく見かける日本の株価の主要指数です。
TOPIXは東証一部全銘柄が対象
日経平均株価は東証一部に上場している企業の中から選ばれた225銘柄の平均株価であるということは以前の記事でご紹介しました。

それに対してTOPIXは東証一部に上場している全ての日本企業が対象となっています。
日経平均が「円」を単位にしているのに対して、TOPIXは「ポイント」を単位にしているのも特徴です。
日経平均株価とTOPIXの比較
日経平均株価 | TOPIX(東証株価指数) | |
---|---|---|
対象銘柄 | 東証一部上場企業のうち、選定された225銘柄 | 東証一部に上場している企業すべて |
単位 | 円 | ポイント |
TOPIXの算出方法
日経平均株価は225社の株価の合計÷24.917という計算で算出されます。
しかしTOPIXは平均ではないので算出方法は異なります。
TOPIXの基準は1968年の東証時価総額
TOPIXは東証株価指数なので平均ではなく指数です。
指数ということは基準が必要になるんですが、それが1968年1月4日の東証時価総額となります。
なぜ1968年なのかというとTOPIXのスタートが1969年だから、その前年を基準にすることにしました。
TOPIXの計算式
TOPIXの計算式は1968年1月4日の東証時価総額を100として計算されます。
TOPIX=現在の時価総額÷1968年1月4日の時価総額×100
で表されます。
ただ、2005年10月31日以降は東証一部の全株式ではなく浮動株を算出対象にしています。
浮動株とは創業者一族や大株主が保有していない株のことです。
創業者一族や大株主が多く保有している浮動株比率の低い銘柄は市場に出回る株式数が少ないので、上場株式数が同じなら浮動株比率が高い銘柄と比べると値動きが大きくなります。
なので、現在は浮動株比率の違いを指数に反映するために、実際に売買される浮動株を反映した計算式になっています。
2020年2月末のTOPIX
2020年2月28日時点でのTOPIXは1510.87ポイントとなっています。
これは、1968年1月4日に比べておよそ15倍になっているということです。
ちなみにTOPIXの最高値はバブル全盛の1989年末に記録した2884.80ポイントです。
TOPIXをどう使う?
TOPIXがどういう指標なのかはわかりました。
しかし、日経平均株価とTOPIXの使い分けはどのようにすればいいのでしょうか?
景気の動向を見る日経平均株価
日経平均株価は東証一部の主要225銘柄なので、基本的には優良企業・大企業が多くなります。
なので景気の影響や世界情勢などを敏感に反映した値動きとなります。
また、225銘柄の中でも株式の構成比率に差があり
- ファーストリテイリング 約9.5%
- ソフトバンクグループ 約5%
- 東京エレクトロン 約4%
など上位3社で全体の15%を占めています。
そのため上位数社の業績が日経平均株価に大きく影響を与えることになってしまうという問題もあります。
株価全体を把握できるTOPIX
一方TOPIXは東証一部に上場されている約2100銘柄全てが対象となっているので、数社の株価に影響を受けることはあまりありません。
とはいえ、時価総額の高いトヨタ自動車・ソフトバンク・NTTドコモなどの大企業の銘柄の値動きの方がTOPIXに影響を与えやすいことは確かなので注意が必要です。
また、日経平均株価に比べて対象銘柄数が多いことから「より幅広い銘柄への分散投資ができる」ということでTOPIX型のインデックスファンドも人気があります。
まとめ
ここまで日経平均との違いを含めてTOPIXとはなんなのか?ということを調べてきました。
一般的には日経平均株価が取り上げられることが多いですが、日経平均だけではわからない日本株全体の動きを見るためにもTOPIXも同時にチェックしていくことが大事なのではないかと思います。
また、投資信託だけではなく、個別銘柄への投資の際にも日経平均株価・TOPIX両方の動きを確認することで全体のトレンドを把握することもできます。
様々な指標を総合的に見て投資判断していくために少しでもこの記事がお役に立てばうれしいです。






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