昨日の夜、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)が緊急の利下げを発表したとニュースになりました。
今回の新型コロナウイルスによる株価の下落に対処するためで、緊急の利下げは2008年のリーマンショック後の世界同時株安の時以来だそうです。
「利下げ」や「利上げ」という言葉はニュースなどでよく聞きますが、それが何を目的としていてどういう影響を及ぼすのかということを調べていきたいと思います。
金利とは?
そもそも金利とはなんでしょうか?
イメージとしては、銀行にお金を預けたら○○%やお金を借りたら〇〇%というものではないでしょうか。
そしてそれらを「利子」や「利率」や「利息」などと呼びますよね。
その「利子」「利率」「利息」は全部金利です。
利子・利息
自分が相手に払うものを「利子」・自分が相手から受け取るものを「利息」と言います。
銀行から住宅ローンを借りて、毎月のローン返済時に元本と合わせて払うものが「利子」です。
銀行に預金して、年に数回受け取れる雀の涙程度の小銭が「利息」です。
「利子」「利息」の単位は「円」や「ドル」などの通貨単位で表します。
利率・年利
対して、「利率」や「年利」とはお金の貸し借りを行ったときのリターンを%で表したものです。
投資の世界で「金利」という時は主にこの「利率」などの「利回り」のことを指します。
政策金利
それではまず政策金利から。
政策金利とは、中央銀行が民間銀行にお金を貸す時の金利のことです。
中央銀行がこの政策金利を引き下げると、民間銀行はお金を借りやすくなります。
すると、企業や個人への融資を行いやすくなるため、企業の設備投資や個人の消費が増えて景気が上向きになります。
逆に中央銀行が政策金利を引き上げると、民間銀行はお金を借りにくくなります。
すると、企業や個人への融資を行いづらくなるため、企業の設備投資や個人の消費が減少して景気が下向きになります。
この政策金利による市場のお金の流通量調整は、昨日の記事で書いた「公定歩合」と似てます。

公定歩合と政策金利の違い
1994年10月以前は、民間金融機関の預金金利や貸付け金利は公定歩合と連動していました。
そのため、公定歩合の変更が金融政策として使われていました。
しかし公定歩合は1994年10月の金利完全自由化によって金融政策の手段としての有効性を失いました。
その後、公定歩合は「基準割引率及び基準貸付け利率」という名前に変更され、現在でも日銀が民間金融機関に融資する際の金利として存在しています。
それに対して、現在は「無担保コール翌日物」という金融商品が政策金利の役割を担うことになりました。
現在の政策金利は無担保コール翌日物金利
1994年10月の金利完全自由化以降は、民間金融機関の資金調達の大半がコール市場という短期金融市場で行われるようになりました。
そのため、日銀も無担保コールレートを金利誘導目標に設定するようになり、金融政策として使うようになりました。
無担保コール翌日物金利とは、金融機関同士がお金を貸し借りするコール市場で、無担保で「当日借りて翌日返す」「当日貸して翌日返してもらう」という際の金利です。
そこに日銀が介入することによって政策金利を調整しています。
長期金利
ご紹介してきた政策金利は短期金利ですが、もう1つよく聞くのが長期金利です。
長期金利とは一般的には10年物国債の利回りのことを指します。
短期金利は日銀の金融政策によって上下しますが、長期金利は市場の長期的資金の需要と供給によって決まります。
長期金利は長期的な景気の動向や物価の変動などを予測して変動していきます。
銀行が1年以上の長期にわたって融資する際の金利にもなるので、住宅ローンの金利にも影響を及ぼします。
リーマンショックや東日本大震災など、経済の先行きに不安が広がると比較的安全とされているアメリカや日本の国債が買われるので長期金利は低下します。
逆に、経済の先行きが明るいと市場が判断すると、安定してリターンの低い国債は買われなくなるので長期金利は上昇します。
まとめ
政策金利とは
- 中央銀行が民間金融機関に融資する際の金利
- 日本では「無担保コール翌日物」
- アメリカでは「FF金利(フェデラル・ファンドレート)」
長期金利とは
- 10年物国債利回り
- 市場での需給によって決定
- 住宅ローン金利も長期金利によって決まる




コメント
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so i am going to leave it here.
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